失って初めて気づいた健康と人生の窮地を救った珪藻土
健康な未来のために欠かせないアイテムとは?
今の日本において、「健康」という言葉は最重要の課題として挙げられています。 口に入る食材や水は、無農薬のものや純度の高いものを選ぶことは当たり前。 適度な運動や睡眠の質にもこだわる人もいて、健康に対しては多くの人が関心を寄せています。 一方、長い間生活をする「住宅」に対しては、食品や運動などと比べて関心が低いように思われます。 古くはアスベスト(石綿)被害やシックハウス症候群など、住宅の健康被害などを耳にすることはありましたが、自分事として考えている人は少ないでしょう。 健康な未来のために、私たちの生活の基盤である住まいにもっと関心を持つべきではないでしょうか?42歳で大腸がんに…。初めて知った健康の大切さ
さかのぼること30年前、私は大学時代の先輩・山本倍章氏が設立した株式会社ワンウィルに入社しました。 創業当時はエチレンやポリプロピレンなど、オレフィン系と呼ばれる原料から作られる製品の輸出入を中心とした事業を展開。 次第に会社も軌道に乗り、平成2(1990)年からは輸入住宅販売の事業長として新しい事業を始めました。 新規事業ということもあり、苦難の連続ではありましたが、「自分の力で成果を残したい!」と必死で働きました。小さな会社だったため、私は本社のある横浜と、営業所がある長野県・佐久市を行き来し、休日もないほどに多忙な日々が何年も続きました。 そんなある日、私は大腸がんを発症してしまったのです。 年齢的にも働き盛りですし、会社にとっても重要なポイントに差し掛かっていましたが、病気に勝つことはできません。 入退院を繰り返しながら、合計4回に渡る手術で快方に向かいましたが、住宅事業は撤退することになり、私自身も「健康」について痛感させられる出来事となりました。
珪藻土の力が人生の窮地も救ってくれた
住宅事業部は8年で撤退しましたが、原因は自分たちが手を広げすぎた点にありました。 1軒の家を建てるには、大工さんをはじめ、基礎工事の方や板金屋、水道業者や壁紙屋など、さまざまな人が関わります。 これらのひとりひとりが一流の仕事をしなければ、きちんとした家を建てることはできません。 しかし、毎回一流のメンバーを揃えることは難しく、途中でスケジュールが遅れれば、人員管理にも支障が出てしまいます。 「小さな会社だからこそできることは何か?」と考えたていたときに出会ったのが「珪藻土」でした。 珪藻土は、日本で古くから活用されていた壁材で、湿気の吸放着をするほか、有害物質やにおいの元になる成分なども吸着する性質があります。 日本の伝統的な資材でありながら、業界内でしっかりした製品開発をしているメーカーはありませんでした。 また、弊社には製造・販売に加え、施工するノウハウも生かす手はないと思い、珪藻土を中心とした事業が始まりました。
健康な社会を作るためユーザーを一番に考えることが使命
「本当の健康」を伝えるため、私たちにできること
珪藻土の性能は商品詳細のページにあるため割愛しますが、珪藻土製品には私たちの健康をサポートする力があります。 例えば、シックハウス症候群の原因とされるホルムアルデヒドは、厚生労働省の基準によると0.08ppm以下と定められています。 「ケイソウくん」をベースにした「ケイソウくん クロス」を使った実験では、2.4ppmから人体に影響のない0.01ppmまで下がるという結果が出ました。一方、大手壁紙クロスメーカーの製品では、100ppmから2ppmまで下がったという結果に対し、「98%の高い吸着力」という説明書きがありました。98%吸着できたとしても、2ppmも残っているということは、人体にとっては十分に有害です。メーカーが一番に考えるべきことは、ユーザーさんの健康です。
単純に「売りたい」という気持ちだけで、お客様をだますようなことをするのはあってはならないことだと思います。 また、性能面で素晴らしい魅力を持つ珪藻土ですが、施工の手間と価格の面から一般的に普及しているとは言えない状況です。 現在の住宅には、ビニールクロスと呼ばれるビニール製の壁紙が使われ、シェアは96%とも言われています。 価格が安く、見た目もきれいに仕上がりますが、高温多湿の日本ではカビや結露の原因になるほか、接着剤にはシックハウス症候群の原因でもあるアセトアルデヒドも含まれています。 しかし、手間や価格を優先するため、有害であるという事実をメーカーは教えません。 悪影響があることを知らずに何十年も過ごし、病気になってからでは遅いのです。 だからこそ、私たちには真実を伝える義務があると考えます。新製品の開発や施工の工夫などで「知る」機会を増やしたい
今後もエコロジーや健康に対する関心は、より高まっていくことでしょう。 ユーザーの方々に判断していただくためにも、「珪藻土」という製品があること、そして性能の高さや製品のバリエーションなどを知っていただくことが必要なると思います。 多くのユーザーさんに使っていただくため、弊社では使い勝手を壁紙タイプの「ケイソウくん クロス」やペンキタイプの「Kペイント」など、ユーザーが使いやすいアイテムを開発してきました。また、本社ショールームにて製品にふれる見学会も行ったり、高いレベルで施工できるよう施工業者ネットワークの構築も行っています。 未来の子どもたちのためにも、私には珪藻土というものをひとりでも多くの人に知ってもらう義務があるのです。 年齢は60歳を越えましたが、これからも走り続けていきたいと思います。
昭和29(1954)年、愛媛県西条市生まれ。 岡山大学経済学部を卒業後、愛媛銀行に入行。 入行2年目から営業を担当し、営業担当1か月で全行No.1の営業成績をあげる。 昭和60(1985)年、大学時代の先輩である山本倍章氏の設立した株式会社ワンウィルに入社。 化繊製品の輸出入事業を経験したのち、住宅事業部長として約200棟の施工に携わる。 平成7(1995)年からは、「エコロジー」「健康」をテーマに、珪藻土製品を始めとした建築資材の製造・販売・施工を行う。